孤独死減少の一助に 別府市、65歳以上の独居世帯に機器貸し出し

2017年05月23日大分合同新聞

 
 別府市は、市内の65歳以上の1人暮らしの高齢者を対象に、新型の緊急通報用機器の無料貸し出しを始めた。毎朝、定時に安否を確認するシステムで、異変があれば早期に察知できる。市は新しい機器の導入により孤独死の減少を図る。

 確認は毎日午前6時~同9時の間に実施する。従来の機器では、安否確認は月に1回だけだった。据え置き型と携帯型から選べ、据え置き型は利用者が機器の安否確認ボタンを押し、携帯型は機器を動かすと自動で感知する。

 確認できない場合、コールセンター(大分市)が電話。応答がなければ、あらかじめ登録した市内に住む家族や近隣住民らの協力員に連絡し、自宅に出向いての安否確認を依頼する。携帯型は衛星利用測位システム(GPS)機能で位置情報が分かり、外出先で異変があれば救護に向かうことができる。

 市高齢者福祉課によると、市内の1人暮らしの高齢者は約7600人(2015年3月末)。従来の据え置き型は約770台貸し出している。

 同課の長谷目高明課長補佐は「家族が小まめに連絡できないことも多く、毎日、安否確認できる機器を導入した。高齢者の不安解消や孤独死の減少につなげたい」と話した。

<メモ>
 貸し出しの対象は、市内に1年以上住んでいる65歳以上の1人暮らしの高齢者。年収が200万円未満などの条件がある。問い合わせは市高齢者福祉課(TEL0977・21・1442)。