東電HD、渋谷で高齢者・子供の見守りサービス
2017年05月17日日経新聞
東京電力ホールディングス(HD)は17日、東京都渋谷区で小型端末を使った見守りサービスの社会実証を始めると発表した。
高齢者や子供が重さ10グラム程度の小型端末を身につけ、検知ポイントを通過したときに家族や親のスマートフォン(スマホ)へ通知される仕組み。同区に在住する高齢者や児童を対象に6月から無償で実証をはじめ、2017年度中に事業化を目指す。
渋谷区や、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」技術を持つotta(福岡市)と連携して事業を進める。基地局となる装置を同区の公共施設や民間施設、電柱など東電グループの設備、自動販売機などに取り付ける。小型端末を持った人が当該の場所を通過したときに家族や保護者に位置情報がメールされるほか、スマホなどから位置情報履歴も確認できる。料金体系は検討中だが、月額500円程度を想定している。
小型端末にはビーコン(電波受発信器)が搭載されており、全地球測位システム(GPS)端末に比べて低コストかつ電池寿命も長いという。東電HDは豊富な電力設備を活用できるうえ、電力事業の顧客からもニーズが高いため見守りサービスを展開する。順次事業エリアを拡大する見通し。
東電HDは、高齢者や子供が対象となる事件や事故の低減を目指すほか、本業である電力事業以外での収益拡大を目指す。同日会見した東電HDの見学信一郎常務執行役は「異業種企業と連携し社会インフラサービスを展開していく」と意気込みを語った。