歩数計と連動、安否確認アプリ 京都の79歳が開発

2017年05月14日京都新聞

 
 京都府城陽市の高齢男性が歩数計と連動して安否確認ができるスマホアプリを開発した。心拍数や歩数などに異常があった場合、知人や家族に連絡が届く仕組み。無料で提供し、同市や精華町の市民グループらが試験運用している。

 城陽市寺田の登尾猪三郎さん(79)。40代でシステム開発などを手掛けるベンチャー企業を立ち上げた。一線を退いた後は頻繁にフルマラソンを完走するなど運動や健康に関心を深めている。精華町の健康づくり事業などに、パソコンを使った歩数測定で協力してきた。

 アプリの発想は二十数年前。高齢化で見守りをする人が少なくなる将来、パソコンで役に立ちたいと思いついた。実際に開発を始めたのは約5年前で、かつての同僚がボランティアでプログラムを組んだ。

 腕時計型のデジタル歩数計が計測する心拍数や歩数を、複数のスマホで同時に閲覧できる。心拍数が平均値から大きく外れたり、歩数計が一定の時間、動かなかったりする場合、事前に登録している家族らのスマホに、位置情報とともに緊急メッセージが届く。

 8日、同町の健康づくり事業の市民ボランティアスタッフに、登尾さんがシステムの説明をした。スタッフたちは「近所の人に連絡が届くと心強い」と感想を話していた。

 城陽市ではすでに、見守りボランティアグループが実証実験に参加している。登尾さんは「緊急時にこれ以上、早く知らせる方法はないのでは。高齢者自身がスマホを操作する必要もない。利用者の意見を聞いてよりよいものにし、広めていきたい」と意気込んでいる。