東電とソニー、IoT開発で提携 スマホで家電制御 高齢者見守り

2016年8月24日SankeiBiz


 東京電力ホールディングス(HD)傘下の小売り会社、東京電力エナジーパートナー(EP)とソニー傘下のソニーモバイルコミュニケーションズは23日、IoT技術を活用した家庭向けサービスで提携に向けた検討を開始すると発表した。スマートフォンを使って家電を効率的に制御したり、高齢者を見守ったりするサービスなどを見込み、来年にも開始する。

 スマホなどを手掛けるソニーモバイルの通信技術を用いてサービスを開発し、東電EPが持つ約2000万件の家庭顧客を対象に提供できる体制を整える。東電EPとソニーモバイルは同日、基本合意した。

 新サービスの詳細は今後詰めるが、例えば、ソニーモバイルが通信機能の付いた小型機器を提供し、エアコンや照明などの家電製品の稼働状況や電力使用量を集約、外出先でもスマホで確認や制御できるようにすることを検討する。

 また、見守りサービスでは家電の使用状況から高齢者の生活を把握し、異常がないか検知する。室内に設置したカメラで人の動きが分かるようにもする。

東電EPが顧客網を生かして営業し契約の獲得を目指す。電気料金と併せてサービス料金の集金も担う見通し。

 東電は今年4月に始まった電力小売りの全面自由化で都市ガスや石油元売りなど新規参入事業者との競争が激しくなっている。異業種と手を組み新しいサービスを提供することで既存顧客のつなぎとめを狙う。

 ソニーモバイルは家庭向けを開拓することで、通信機器の販路拡大につなげ、IoT分野を強化する。