デンソー、タブレット端末を利用した高齢者見守り支援
2016年8月02日日経テクノロジーonline
デンソーは2016年8月1日、秋田県湯沢市の高齢世帯約80世帯を対象に、情報通信技術(ICT)を活用した地域情報の配信システム「ライフビジョン」サービスを同日から提供開始すると発表した。同市が行う高齢者生活支援の実証試験事業に参加し、新たに見守り機能、乗り合いタクシーの予約機能を開発した。
ライフビジョンは、インターネット回線とタブレット端末を利用した地域情報や防災情報などの配信システムで、2014年に香川県直島町で導入、本格運用を開始している。今回、湯沢市が行う実証試験事業「湯沢市高齢者等生活支援システム実証試験業務」を受注した。
新たに開発した見守り機能は、使用者が一定期間タブレット端末を操作しない状態が続いた時に地域の民生委員や市の担当窓口に通知する機能で、毎日訪問しなくても高齢者の安否確認が行える。また、乗り合いタクシーの予約機能は、高齢者でも簡単にタブレット端末からタクシーを予約できる。乗り合いタクシー運行事業者と連携し、専用の予約アプリを開発した。
湯沢市では65歳以上の高齢者が35%を超え、高齢者のみの世帯が増加している。特に中心部から離れた集落では、高齢者の孤立、孤独化が問題となっている。これまで民生委員やボランティアによる見守り事業を行ってきたが、今後のさらなる市民サービスの向上に向けて今回の実証試験事業を行っていく。