見守りシステム開発へ 会津大、電波反射で健康状態など把握

2016年6月27日福島民友


 会津大(会津若松市、岡嶐一学長)は、電波の反射を使って人の活動や健康状態を把握するシステムの開発を始めた。将来的に1人暮らしの高齢者や障害者らの見守りや、体調不良の察知などに役立つシステムで、ICT(情報通信技術)を活用した安全な生活環境の実現に向けて期待が高まる。

 同大の研究課題が、ICT分野の技術開発などを目指す、総務省の戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)の採択を受けた。同大のソン・ゴオ教授を中心に、宮崎敏明教授、ペン・リー准教授の3人が研究を進めている。システムで使用するのは、電波による自動認識技術を用いた無線通信タグ(RFIDタグ)と、読み取り機器(タグリーダ)。両機器を複数配置し、機器の間を流れる電波の変化から情報を読み取る。

 電波の間を人が通ると、電波の強弱や波形が変化する。電波の変化を分析することで、位置情報や立つ、座るなど細かい動作が分かる仕組み。これらのデータを長期的に取得しビッグデータに蓄積、解析することで、行動の変化から緊急時を察知できる。急病や高齢者の転倒、火災や不法侵入などを把握し、通報したり家族に知らせることも可能になる。

 これまでも、監視カメラや身に着けるタイプのタグを活用した見守りのシステムが開発されてきた。しかし、私生活がカメラで記録され、直接見られることに対する抵抗感や、自分の意思でタグを着けられない場合などの問題があった。このシステムではタグを、生活環境の中に埋め込むことを想定しているため、自分の意思は関係なく、ストレスもかからない。電波で動きを感じ取る緩やかな見守りを実現できる。

 さらに、呼吸時の胸の動きの変化などのより細かいデータが取れれば、自分で気付かない体調の変化を見つけられる可能性もある。宮崎教授は「少子高齢化が進む中、高齢者の見守りに役立つ技術。応用の幅も広く、生活の利便性向上や省エネにも役立つ」と話す。