高齢者の服、帽子などにQRコード…読み取れば連絡先

2016年6月23日読売新聞


 栃木県那珂川町が今年度から、QRコードを利用した高齢者などの見守り事業を行っている。

 異常を発見した人がコードを読み取って管理会社に連絡すると、会社が家族などに通知する。外出先での急病や認知症のため行方不明になった場合などに活用できると期待している。

 町は独り暮らしの高齢者宅などに「緊急通報装置」を配備しており、自宅内の異変を通報できるようにしている。自宅外での異変の際に有効なツールとしてQRコードに着目し、このシステムを取り扱う情報通信会社「アイネット」(本社・福島県会津若松市)と提携した。

 服などにQRコード入りのシールを貼り、スマートフォンなどで読み取ると個人情報の管理会社の連絡先が表示される仕組み。発見者が管理会社に連絡すると、事前登録された情報をもとに会社が家族などに通知する。

 町は緊急通報装置を設置している約70人にシールを配布。さらに、独り暮らしで障害を持っている人、認知症状があると医師が診断した人などを対象にシールの申し込みを受け付けている。シール代や登録料は町が負担する。

 町健康福祉課は「 徘徊している人などを保護した人がこのシステムを知っていることが重要。対象者を募集するとともに、システムの周知に努めたい」としている。問い合わせは同課(0287・92・1119)。