保証人、安否確認…「おひとりさま老後」頼れる先リスト

2016年6月09日女性自身


「保証人」が立てられなくて困っている高齢の「おひとりさま」は多い。そんな「おひとりさま」の強い味方は、NPO法人や一般社団法人などの民間団体が行っている「家族代行サービス」だ。
 
だが、今年1月、身寄りのない高齢者の身元保証事業を行っていた公益財団法人「日本ライフ協会」(東京都港区)が破綻との報道が出た。
 
同協会は2002年に設立。約160万円を支払い会員になると、生涯にわたって身元保証を引き受けてくれて、葬儀や死後の手続きまでしてくれるというコースが一般的なプラン。全国2,600人の会員から、預かった委託金約9億円のうち、約半分が不正に流用され、会員に委託金返済のめどは立っていない。
 
『おひとりさまの「法律」と「お金」』(WAVE出版)の著者でライターの中澤まゆみさんが言う。
 
「身元保証を行う団体は全国で数え切れないほどあります。事業の届け出は不要なので、実態がわからないことが多く、後々トラブルにつながることも少なくない。ただ、福祉の現場にいた人が立ち上げたような団体もあり、すべてがいい加減な団体というわけではありません。お金を振り込む前にどんな団体かよく見極める必要があります」
 
いい団体かどうか見分けるには、その団体が市区町村の地域包括支援センターとの接点があるなどがポイントだが、絶対安心の確証はない。
 
「『おひとりさま』になっても、頼ることのできる制度や地域のサービスがあります。それを知っておくことが安心の第一歩です」(中澤さん)
 
そこで、おひとりさまになったときの「悩みのステージ別」に、制度や人など、老後の“頼れる先”を紹介。
 
【病気】手術などの医療同意、入院の保証人
頼れる先/医療コーディネーター、友人
ポイント/救急搬送などの緊急時や手術の同意などが必要なときは、友人でもよい
 
【住まい・1】賃貸住宅の保証人
頼れる先/保証会社
ポイント/更新時に保証人を求められるケースがある。あらかじめ保証会社が付く物件を選ぶ方法もある
 
【住まい・2】緊急時の連絡先
頼れる先/成年後見制度の後見人
ポイント/任意後見契約を結んでいれば、後見人が緊急時の連絡先になってくれる
 
【安否確認】倒れたときの発見など
頼れる先/見守りサービス
ポイント/自治体の見守りサービスのほかに、司法書士などが任意後見契約とセットで行う場合も
 
【生活】銀行でお金が下ろせない、利用料金の支払い代行など
頼れる先/日常生活自立支援事業、成年後見制度の後見人
ポイント/市区町村にある社会福祉協議会で「日常生活自立支援事業」の利用申請をする。判断能力が低下していたら成年後見制度に移る
 
【資産管理】通帳や印鑑、証書などを預ける
頼れる先/日常生活自立支援事業、成年後見制度の後見人
ポイント/元気なうちは社協が管理するが、後見人が必要になったときは、成年後見制度につないでくれる
 
【介護】介護が必要になったときの手続き、老人ホームに入るので自宅を処分するなど
頼れる先/成年後見制度の後見人
ポイント/介護保険のサービスプランなど家族の同意が必要な場合は、家族の代理として立ち会う
 
【死後・1】遺体、遺品の引き取り、葬儀、埋葬
頼れる先/死後事務委任契約
ポイント/死亡届、火葬許可証、埋葬届などの事務、公共料金の精算やもろもろの契約の解除を行う
 
【死後・2】退去時の居室の明け渡し
頼れる先/死後事務委任契約
ポイント/遺品の処分、部屋を原状回復し、家主に引き渡す
 
【死後・3】お墓に入る
頼れる先/死後事務委任契約
ポイント/遺言などで希望した埋葬場所に遺骨を運んでくれる
 
不安を感じたら、まず役所や社協、地域包括支援センターなどに相談しよう。