高齢者見守り無線システム 軽井沢のIT経営センター
2016年6月02日信濃毎日新聞
ITベンチャーの軽井沢IT経営センター(北佐久郡軽井沢町)は、グローバル・コミュニケーションズ(北海道函館市)と共同で、高齢者の健康状態を遠隔地の家族らが把握できる無線システムを開発し、運用を始めた。インターネットとデジタル機器を活用しつつ、高齢者は紙にペンで書き込むだけで、内容を自動送信するのが特長。県内で利用する会員を募っている。
サービスの名称は「ココカルネット」。所定の用紙に記載された体調に関する質問項目にデジタル式の専用ボールペンで印をしたり、自由記述欄に記入したりして、送信欄にチェックを入れると、回線につないだサーバーに自動送信される仕組み。内容は瞬時に登録先のパソコンやスマートフォンにメールで届く。
両社は2014年から開発を進めていた。さまざまな高齢世帯向けの健康管理システムがあるが、タブレット端末など情報端末は高齢者にとって使いづらい場合も多いと想定。利用者本人は機械操作をしないで済むようにした。
家族など情報を受け取る側は、高齢者の健康状態を把握しやすいように入力日や記入した内容を一覧で見られるようにした。用紙のフォーマットも個々の要望に応じて変えることができる。
基本料金は機器のレンタルを含めて3800円(初回の手数料3千円)。オプションで、通信機能付きの血圧計や体重計も貸し出す。軽井沢IT経営センターはシステムを応用し、会員向けの買い物代行サービスも軽井沢町内を中心に始める計画。既に地元商店に協力を依頼し、コメや精肉、調味料、日用品などの商品カタログを作成している。
同社は2012年設立。高見康昭社長は「高齢者の見守りや、地域のコミュニケーションツールとして活用を図りたい」としている。