詐欺電話 自動録音で防止

2016年5月11日読売新聞


 高齢者を狙った特殊詐欺被害を防ぐため、松原、東大阪両市は、未登録の電話番号を取りつがない機能などを備えた機器の貸し出しを始めた。固定電話に取り付けると、着信前に警告メッセージが流れる仕組みになっており、両市は「犯罪被害防止につながれば」と期待している。

 府警によると、昨年の特殊詐欺による府内の被害額は、全国2番目の約41億4000万円(前年比約5億8400万円増)で過去最悪となった。こうした状況を踏まえ、両市は今年度から、名古屋市の通信機器製造会社が開発した機器をそれぞれ200台ずつ無料で貸し出すことを決めた。

 機器は縦15センチ、横10センチ、厚さ3.4センチで、固定電話とケーブルで接続すれば、すぐに使える。電話着信時に、「この電話は振り込め詐欺などの犯罪被害防止のため、会話内容が自動録音されます」との警告メッセージが発信者側に流れる。会話内容も自動的に録音される。また、受話器が外れていると、機器のスピーカーから「受話器が外れています」との音声も流れ、高齢者の安否確認にも役立つという。

 両市とも、貸し出しは原則、市内在住で65歳以上の一人暮らしの高齢者などが対象。松原市では4月に74件の申し込みがあり、市はすでに機器の配布を開始、5月も申請を受け付けている。東大阪市は申請期間を13日までとしているが、機器が残っていれば、その後も申請に応じる。問い合わせ先は、松原市が市消費生活センター(072・337・3112)、東大阪市が市社会福祉協議会・角田総合老人センター(072・962・8011)。