1人暮らし女性、高齢者も安心 さいたまの会社、見守りセンサー発売

2016年4月14日埼玉新聞


 IoT(モノのインターネット)コンサルティングを手掛けるアクティブ・アイ(さいたま市中央区、飯島克昌社長)は、今春から体に触れずにバイタルサイン(生命兆候)を感知する「非接触バイタル感知センサー」の販売を始めた。

 マイクロ波で脈や呼吸の状態を常時検知し、異常を感じた際は親族らにメールで知らせる装置。高齢化の急伸に伴い独居老人の「孤独死」が社会問題化する中、お年寄りの安心・安全対策とともに1人暮らしの女性向けの防犯対策などにも役立ちそうだ。

 飯島社長は「安心・安全な社会づくりに貢献できれば」と話している。

 同センサーは、車のオービス(自動速度取締機)でも使用されているマイクロ波を応用し、非接触で「脈拍」「体の動き」「呼吸」の状態をパソコンを通じて常時検知。

 例えば、1人暮らしの高齢者が常時使う部屋に設置すれば、高齢者が体調を崩した場合など生命反応に異常が生じると、センサーが察知し、すぐにメールを送信して親族らに伝える。文面や送信先などは自由に設定できる。

 高齢化社会の進展に伴い、65歳以上の独居老人は急増している。県高齢者福祉課によると、県内の単身高齢者は2010年度の20万8千世帯(県内一般世帯数の7.3%)から、25年度には33万6千世帯(同11.3%)に拡大する見通し。こうした状況で、孤独死防止は大きな課題となっている。

 飯島社長は「独居老人の見守りサービスとしてマイクロ波センサーが普及すれば、本人も親族も安心して暮らすことができる。カメラが付いていないので、プライバシーを侵害することもない」と話す。

 同センサーは顧客の用途に応じて設定を変更できるため、幅広い分野で活用できる。防犯対策もその一つ。飯島社長は「1人暮らしの女性宅に設置すれば、不審者の侵入を察知できる。介護施設や動物病院では、より迅速な対応が可能となり、サービスの向上につながる」と話す。

 基本のセンサーは、電子部品の輸出入販売などを行うミオ・コーポレーション(相模原市)が開発、製造。アクティブ・アイは首都圏を中心に販売を手掛ける。

 今後はセンサー自体にパソコンの通信機能を内蔵させたり、電力自由化で普及が見込まれるスマートメーターの中にセンサーを設置するなどして、より安価で手軽に利用できるよう改良を進める。

 さらに親族らが異常時に一方的にメールを受けるだけでなく、見たい時にバイタルサインを確認できる双方向のサービスも視野に入れている。

 問い合わせは、同社(電話048・711・5763)へ。