見守りアプリに託した願い

2016年4月12日夕刊フジ


 中村清悟(せいご)さん(52)は文系出身ながら大手コンピューターシステム会社に新卒で入社しました。もともとコンピューターが好きで、中小企業診断士の資格を持つお父様の会計処理の仕事を手伝ったりしていたそうです。

 金融関連のシステム開発に従事した後、大手損保に転職し、システム統合などのプロジェクトに従事するのですが、その頃から独立への思いが芽生えていたようです。

 「やはり、組織で働いていると不条理な命令に従わなくてはならないことが多いじゃないですか。父親の影響ですかね。40歳を過ぎ、子育てのめどがついたあたりから、資格を取るなどして、少しずつ準備を始めたのです」(中村さん)

 とくに、これからはクラウドを活用したシステムの時代が来ると情報収集をスタートしたとき、役に立ったのがツイッターで、色々な人脈が開拓できたそうです。

 2011年に法人を設立するのですが、すぐに次の年、現在のシステムアクティベーション(株)に社名を変更します。

 「最初はコンサルティング中心で行きたかったのですが、なかなかお金になりません。そこで現在の社名にして、クラウドを中心にしたシステム開発事業に方向転換しました」

 その早めの戦略転換が功を奏して、現在、システム開発など順調に仕事は回転しているのですが、自社で開発した製品を送り出したいという思いで、高齢者見守りシステム『OYAKOKO』というアプリをリリースしました。2年前、中村さんのお母さんが倒れた経験をきっかけに開発したアプリとのことです。

 「同世代の人の問題を解決したいという思いで開発しました」 (取材・構成:藤木俊明)