ニフティが高齢者見守り 介護業者向け監視サービス

2016年3月23日日経新聞


 ニフティは4月から、自宅で介護を受ける高齢者の生活を見守る新サービスを介護事業者向けに売り出す。高齢者の自宅にセンサーと通信機器を置くだけで、メーカーを問わずエアコンの操作ができたり、室内の明るさが検知できたりするのが特徴。簡単な設定で熱中症の対策などができる点を訴え、初年度に50事業者からの受注をめざす。

 新サービスは高齢者の自宅の居室にセンサーと通信機器を置き、温度や湿度などの情報を集める。介護事業者のオフィスにあるパソコンで室温をチェックし、高すぎたり低すぎたりすれば、高齢者に換気やエアコン操作を促す。事務所からエアコンの操作もできるようにしている。

 センサーは室内の明るさも検知でき、寝室に置けば就寝時間がわかるため、本人が自覚していなくても、昼夜が逆転するといった症状を早期につかめる。第三者がデータを見たりエアコンを操作したりできないようなセキュリティー対策も加えている。

 センサーと通信機器は1セット6万円で、ほかにサービス利用料として1セットあたり月1000円が必要になる。介護事業者は自社のサービスに組み込んで提供することになる。
 同社の主力である通信サービスやクラウド事業は競争が激しい。通信サービスの基盤を生かした見守りサービスを新たな収益源に育てる。