高齢者見守りシステム開発 川根本町、新年度提供へ
2016年2月27日静岡新聞
川根本町と町の高度情報基盤を運営する民間会社は、町内の1人暮らしの高齢者を離れて暮らす家族がインターネットを通じて見守るシステムの開発に取り組んでいる。高齢者宅の分電盤に設置したセンサーから家電製品の使用状況を推測し、家族に発信するなどして高齢者の生活向上を狙う。
同町が進める情報通信技術(ICT)の利活用策の一環。1人暮らしの高齢者3世帯を対象に2月初旬から実証実験を始めていて、民間サービスとして新年度から希望者に提供する。
家電使用状況のほか、台所や寝室に設置した人感センサーによる起床・就寝時間の推測結果を別居の家族にウェブページ上で知らせる。町内各戸に設置した告知端末機「かわねフォン」の返信機能を利用した安否確認や、運営業者が健康状態を電話で確認する「お元気コール」も取り入れ、家族にメールなどで報告する。
実験に参加している同町上長尾の男性(77)は「家族に見守られているという安心感がある」と話す。島田市内に住む男性の娘(52)は「万が一倒れた時に気付けないことが不安だった。離れていても生活状態を確認できていい」と実感する。
町企画課広報情報室の山田貴之室長は「直接の見守りと合わせてより強固な体制を構築したい」と話す。