島根県津和野町、シャープと共同で高齢者支援の実証実験を開始
2016年12月16日新・公民連携最前線
島根県津和野町はシャープと共同で、高齢者を対象に見守りや買い物、健康的な食生活などを支援する実証実験を、12月6日に開始した。津和野町は65歳以上の人口比率が45.7%と高く、高齢者が健康的に自立した生活を送れる町づくりを目指している。昨年度からは「アクティブシニア総活躍推進事業」として、シャープと連携してIT技術などを生かした事業を手掛けてきた。今回の実証実験もその一環。
実証実験では、津和野町の65歳以上の単身者や夫婦を中心とした50世帯などを対象に、シャープの商品やソリューションを活用して「見守り」「買い物支援」「食生活サポート」の3種類のサービスを提供する。
具体的には、見守りサービスでは実験協力世帯のテレビの使用状況をモニタリングし、その日初めて電源を入れたときや24時間操作がない場合などに、あらかじめ登録した親族のメールアドレスに通知する。
買い物支援サービスでは、シャープのクラウド型ウェブ会議サービス「TeleOffice」を応用して、テレビ画面に映るオペレーターを通じて食材などを簡単に発注できるようにする。さらに、食生活サポートとしては、下ごしらえをした食材と調味料を入れるだけで水を使わずに簡単に調理ができる「ヘルシオホットクック」を高齢者のほか公民館にも配る。
実証実験期間は2017年2月28日まで。終了後はシャープがアンケートを配布・回収するなどして、今後の活動に役立てていく方針だ。津和野町の担当者は「高齢者の増加は、地域全体の課題。既に『遠くに離れている親が心配だったが、見守りサービスを通して様子が見えるので助かる』といった声も聞こえてきている。
実験終了後どうするかは未定だが、シニア層が活躍できる社会に向けて、積極的に取り組んでいきたい」としている。