「見守りサービス」が充実 高齢者向け、関西の大手企業が独自性競う

2016年1月07日産経新聞


 安否確認や非常時の緊急通報といった高齢者の「見守りサービス」を関西の大手企業が充実させている。1人暮らしの高齢者の増加で市場拡大が見込めるとして、各社は安心感をアピールし、独自の機能などを競う。

 NTT西日本は、光回線で結んだテレビ電話により、離れた場所でも高齢者の安否が確認できる機器のセット「みまもりテレビ電話パック」(初期費用4万1990円)の販売に力を入れている。介護ヘルパーが、在宅の高齢者の様子や表情を見る際などに便利だ。

 同社は「ボタン操作で簡単に接続できて使いやすい」とPR。導入先の介護施設では「ヘルパーの顔を見られるので安心だという高齢者が多い」などと好評だ。介護サービスを強化したい施設からの引き合いが多い。

 阪神電気鉄道は自治体を通じ、小型の衛星利用測位システム(GPS)端末を使った「ミマモルメ」を提供。端末を身につけた高齢者の居場所をスマートフォンで把握する。高齢者がボタンを押せば位置情報が家族宛てにメール送信される。京都府長岡京市は認知症高齢者の生活支援として初期費用を助成している。

 阪神電鉄は「端末は巾着や靴の中に入るサイズで手軽だ」と売り込み、他の自治体にも提案中。

 本業の強みを生かしたユニークな見守りは、象印マホービンの「iポット」。電気ポットに無線通信機を内蔵し、お湯を使った記録などを1日2回、家族の携帯電話へメールで知らせる。1カ月の無料キャンペーンも実施中で、担当者は「(カメラなどを設置し)監視されているような機器だと落ち着かないという声に応えた」と話す。

 大阪ガスセキュリティサービス(大阪市)は通報装置を通じて看護師が健康相談に応じ、救急車も手配する。緊急通報時は係員が高齢者の自宅に駆け付けるなどのサービスを展開。「相談できると思うと安心だ」と喜ばれ、利用者を拡大中だ。