電気使用量で高齢者見守り 九電が新サービス開始

2016年10月19日産経新聞


九州電力は18日、スマートメーター(次世代電力計)を使った高齢者の見守りサポートを始めた。離れて暮らす親子などを対象に、サービスの選択肢を広げ、電力小売り全面自由化時代の顧客獲得につなげる。

 新サービスは、IT(情報技術)を活用したスマートメーターで、電気使用量を過去の実績と比較し、変化をとらえる。「起きているはずの時間なのに、使用量が増えない」といったケースで、事前に登録した家族らにメールで通知する。

 「一人暮らしの親が心配」という声に、電力システムを活用して応える。

 九電はサービス開始に向け、5千件のデータから、電気使用量をパターン化し、時間帯ごとに、使用量の上限と下限を算出する手法を編み出した。

 この上限、下限を外れた場合にメールを送る。こうした手法と装置で、特許を取得した。
 料金は1カ月540円(税込み)。ただし、メールを受け取る契約者と、見守り先がいずれも九電の顧客であることが条件となる。メール受信者が関東地域に居住している場合も、「九電みらいエナジー」から電気を購入していれば契約できる。

 記者会見した渡辺義朗取締役常務執行役員は「安心という単語は、お客さんとつながるための重要なキーワードとなる。これからも、このようなサービスを増やしていきたい」と語った。