エアコンが高齢者見守り−パナソニック、来年度にも一般住宅にサービス展開

2016年9月15日日刊工業新聞

 
パナソニックは2017年度にも、エアコンを活用した高齢者見守りサービスを一般住宅向けに展開する。同社や学研ホールディングス(HD)などが参加する次世代環境都市「フジサワサスティナブル・スマートタウン(フジサワSST、神奈川県藤沢市)」内の住宅向けにエアコンと、介護事業者による見守りや健康管理などのサービスを組み合わせて提案する。

エアコンの内蔵の温・湿度センサーと外付けの人感センサーを組み合わせて、高齢者の活動状況や睡眠状態などを遠隔監視する。熱中症の危険を察知して室温を調整するほか、高頻度の目覚めを検知して警報を鳴らす。

すでに自社のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に設置。フジサワSST内に開業した学研ココファン(東京都品川区)のサ高住70戸にも納入した。

パナソニックは学研グループなどと協力しながら、見守りデータの活用方法やサービス料金の回収形態などサ高住向けのビジネスモデルを約1年かけて検討。その上で、一般住宅向けにサービスを広げる。

家庭用エアコンは各社の製品開発が進み、空調や省エネ性能の差別化が難しい。パナソニックは他社にないサービスと組み合わせて差別化し、価格競争に巻き込まれない製品づくりにつなげる。