あいおいニッセイ、アプリで高齢者の運転見守り

2016年9月10日日経新聞


 あいおいニッセイ同和損害保険は2017年1月から、車の運転状況を計測できるスマホ向けアプリを自動車保険の契約者に配布する。安全運転の度合いを示す点数を家族に毎月送信できる機能もあり、高齢の親の運転が心配な子供も遠隔地から運転状況の変化を確認できる。同社は事故を減らし、保険金の支払い減少につなげたい考えだ。

 車内に専用装置を付けておけば、スマホを持って自動車に乗り込むとアプリが自動的に起動。最近走ったルートと急発進や急ブレーキをかけた位置が表示される。安全運転の度合いを100点満点で採点し、ブレーキのかけ方などアドバイスも表示する仕組みだ。

 家族の連絡先を入力すると、点数や運転の傾向が毎月送付される。近年は判断能力の衰えた高齢者が高速道路を逆走する事案も増えている。家族が運転能力の低下に早めに気づけば、1人での運転を控えるといった対策も取りやすくなる。

 アプリは自動車保険契約者のうち希望者に配布する。あいおいニッセイ同和にとっては、事故が減れば保険金支払いが減少するメリットがある。車の詳細な走行データが入手できるため、新たな商品やサービスの開発に生かすこともできる。