ばんそうこう型センサー開発中 大学発ベンチャー
2016年9月09日神戸新聞
兵庫県立大(姫路市書写)で生まれたベンチャー企業「アフォードセンス」(横浜市)が、ばんそうこう型生体センサーの開発に取り組んでいる。手首や胸に貼り付けるだけで、心拍数や呼吸、体温などの数値がパソコンやスマートフォンで分かる仕組み。高齢者の見守りや従業員らの体調チェックなど幅広い用途が期待されている。
生体センサーの開発は同大を拠点に始まり、2008年から5年間、国が支援対象の「科学技術振興機構ERATO(エラート)事業」に選定。その成果を商品化しようと、研究メンバーの樋口行平さん(57)がCEOとなり、13年11月に同社を立ち上げた。
ウエアラブル生体センサーの名称は「Vitalgram(バイタルグラム)」(長さ約7センチ)。身に着けると、心拍や呼吸、姿勢のほか周辺の温度や湿度などが計測でき、データがスマホなどに送信される。
急な体温の上昇や転倒などの変化がリアルタイムで分かるため、子どもや高齢者の見守り、病院のナースコールのほか、職業運転手らの疲労度チェックにも活用できるという。
現在、小型軽量化や精度の向上、低コスト化に向けて実証実験を重ねている。将来的には睡眠の質やストレスの分析、心不全の予知も可能なセンサーを目指す。
樋口CEOは「日常生活を送りながら、長時間、体の情報が得られるのが特長。早期の実用化を目指したい」としている。同社TEL079・267・6019