高齢者スマホで見守り 東京高専が実験 浜松・水窪

2015年12月05日静岡新聞

 浜松市天竜区水窪町の空き家を使い、東京工業高等専門学校(東京都八王子市)の水戸慎一郎研究室が4日、開発中の計測器の実証実験を開始した。計測器は家庭の消費電力をスマートフォンなどから確認できるようにして子どもらと離れて暮らす高齢者の見守り機能が期待できる。同町に暮らす都市部からの移住者らも実験をサポートし、次世代技術を使って問題の解決を目指す。

 計測器は同学校電子工学科の水戸慎一郎講師が研究室の学生とともに開発を進めてきた。家庭内のコンセントに取り付け、インターネットとつなぐことで、消費電力量をパソコンやスマートフォンからチェックする。電線と非接触で運用でき、ショートの危険も少ないという。

 水戸さんは「これまでも見守り機能を持つ家電はあったが、(開発中の計測器には)コストや安全面で優位性がある」と話す。

 実験では空き家内の天井灯やこたつなど計11カ所でデータを採取する。実験をサポートする同町の山里いきいき応援隊池永将成さんは「『IoT』などの新技術が山間部ならではの問題解決に役立つはず。実用化に向けた実験を柔軟に受け入れることで、さまざまなプロジェクトを誘致できると思う」と話す。