一人身の場合、老後の孤独死を避ける方法は?

2015年11月05日T-SITE

 孤独死の明確な定義付けはされていませんが、基本的には社会的に孤立し、充分なケアを受けられない状態の中での死を迎えた方に対し、語られています。ですので、実質的には高齢者だけの問題ではなく、障害を持つ方や小さな子どもなど、すべての人に関わってくる問題なのです。

今回は近年話題となっている高齢者の孤独死について、その予防策を医師に解説していただきました。

孤独死は未婚だけの問題ではない!

孤独死を迎える原因となるものが、未婚、家族との不仲、知り合いがいない、などが上げられます。しかし、未婚の場合は確かに孤独死を迎える原因となりやすい、ともいえるのですが、既婚であっても、配偶者に先立たれれ、さらに子どもとも不仲となると、未婚の方と大差のない状況になってしまうわけです。不仲でなくとも、遠方にしかいない、連絡もあまりとらない、などといった場合には気づくのが遅れてしまう、そんな方も中にはおられるかもしれません。

孤独死を防ぐための取り組みとは?

まずは自分でできる対策として、近所に頼れる知り合いを持つことも有効ですが、社交的な性格ではないといった方もいるため、1人暮らしの高齢者に対する見守りサービスが全国各地で展開されるようになっています。

兵庫県のある団地では、水道メーターを定期的に点検するようにし、メーターが動かなかった場合などにはご家族と連絡をとり、様子を見に来てもらう、という取り組みを自治体でやっているとテレビで紹介されていました。ほかにも、2014年度の夏から大阪府の寝屋川市社会福祉協議会がスタートした「緊急時安否確認事業」では、一人暮らしの65歳以上の希望者から合鍵を預かり、緊急時に安否を確認するというサービスです。合鍵を用いた立ち入りの目安は「新聞や郵便物がポストに溜まっている」「洗濯物が何日も放置されている」といった状況ができていることだそうです。

新聞配達員や宅配ドライバーによる安否確認のような定期巡回も様々なところで展開されています。

ひとり暮らしが不安な人向け! 軽費老人ホームがある!

独居ではなく、施設に入ってしまう、ということも一つの手ではあります。老人ホームと聞くと、どうしても費用が高い、介護が必要になってからでなければ入ることができない、などと思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

あまり話題にならないので知られていないようなのですが、独居となり、1人では不安なので、といった方が入居できる軽費老人ホームといったところもあります。福祉法人や地方自治体の運営している福祉施設ですので、費用の面では安く済みますが、福祉施設ですので入居基準があり、介護が必要になった場合などには対応していません。資産や収入が低いほど入居には有利になる、などといった面もあります。

介護士からのアドバイス

誰もがいつかは迎える老後。そうなった時に焦らないように、今から自分がどうしたいのかおぼろげでもヴィジョンを持っておきたいものですね。