お年寄りの安否確認 松本の鈴木さん、2日から事業開始/長野

2015年10月30日中日新聞

 独り暮らしのお年寄りらの安否確認や、生活支援などを実施する事業を、松本市大手の鈴木努さん(52)が十一月二日から始める。「おはなし倶楽部 ねこのて」と名付け、安否確認などを通じた会話を重視するといい、「世間話などを通じて、少しでも多くの高齢者の方々の力になれれば」と話している。

 鈴木さんは松本市出身で、市内の製本会社で働いてきた。一年ほど前から新聞などで孤独死の問題に関心を持つようになり、今年に入って独り暮らしの母親が病気をしたことなどもきっかけに、起業を決めた。今年八月に会社を辞め、事業の準備を進めてきた。

 鈴木さんは、介護関係の資格を持っていないため、事業開始に当たっては「介護などではないので、事業化は難しいのではないか」との知人の意見もあったが、「子どもが独立して東京や大阪に暮らし、独りで松本に暮らしている高齢者は多い。少しでもいいので高齢者の役に立ちたいと思った」と心境を話す。

 鈴木さんの事業は、契約者宅に電話し、日常会話などもしながら安否確認したり、実際に訪問して安否確認とともに、庭の手入れや部屋の片付けなどもする。安否確認の結果は、契約者の家族らに伝える。

 サービスの対象地域は松本、安曇野、塩尻市とその周辺。電話による安否確認は週一回で月額三千円から、訪問による安否確認は週一回で月額一万二千円から。