コープさっぽろ、独居高齢者の見守り専門員

2015年10月17日日経新聞


 コープさっぽろは16日、一人暮らしの70歳以上の組合員を巡回する専門部署を新設したと発表した。専門スタッフが商品を宅配する配達員と連携し、高齢者の見守り活動を強化。自宅訪問で高齢者の不満などを聞き出し、御用聞きなどの新事業につなげる。まずは札幌市南区周辺で2人の専門員が巡回。2016年度に取り組みを全道に広げる。

 専門員の名称は「トドックあんしんサポーター」。宅配事業「トドック」の配達員とは別に、専用車両で高齢組合員の自宅を巡回する。年2回ほどの訪問で、体調が急変した場合など非常時の連絡先を確認したり、アンケートを通じてトドックの不満などを聞いたりしていく。

 専門員1人が1日で6人の組合員との対話を目指す。対話時間は1時間程度を想定。「どのような不便を感じているかを聞き出し、それを解決するような事業を検討したい。御用聞きのような事業に発展する可能性はある」と同生協の八木沼隆執行役員は話す。

 宅配利用者31万8千人のうち、70歳以上は約8万4千人と4分の1以上を占める。同生協は道内の117市町村と「高齢者見守り協定」を締結。宅配の配達員が組合員の体調不良などを察知して役場などに通報するケースは年間で50件に達している。