空港作業者の体調を機能性肌着で解析、JALとNTTコム、東レが那覇でIoT実証実験
2015年8月17日IoT Next
日本航空(JAL)、NTTコミュニケーションズ(NTTコム)、東レの3社は2015年8月17日、IoT(Internet of Things)を活用した空港作業者向け体調管理システムの共同実証実験を那覇空港で始めた。機能性繊維「hitoe」採用の肌着を使い、屋外作業者の心拍数などを常に確認できるのが特徴。東レが2016年3月までにサービスを事業化する意向で、炎天下の作業が多い屋外作業者が熱中症などで働けなくなるリスクを減らす狙いだ。
今回の事業化を目指すサービスは、主に専用肌着、送信機、安全管理システムから成る。肌着にはhitoeで形成した電極が付いており、胸部の送信機経由で作業者の心拍データを管理システムへ送信し解析する。解析結果は作業者本人のスマートフォンや現場管理者の端末に表示される。リアルタイムでアラートを通知することも可能だ。
実証実験では、まず那覇空港で荷物の積み卸しなどを担当する屋外作業員を対象に、暑さ対策に関する検証を開始。その後、他の空港で疲労度推定や消費エネルギーなど暑さ対策以外の体調管理も検証する予定だ。
JALは、実証実験の結果を踏まえシステムの導入を検討する。東レは、GPSやビーコンの活用による着用者の位置情報取得機能の開発も検討し、福祉介護施設や自宅での高齢者の見守り用途へサービスの展開を目指すとしている。