葬儀や納骨 生前に望む形を 横須賀市が「終活」支援
2015年6月25日東京新聞
身寄りがなく、資産や収入の少ないお年寄りの「終活」の手助けをしようと、横須賀市は7月1日から「エンディングプラン・サポート事業」を始める。生前に葬儀や納骨先、死亡届人、延命治療の意思を決め、登録しておく制度。市は「同様の事業を行う民間組織はあるが、最期まで安心して暮らせるよう自治体として対応する必要がある。県内で初の取り組みで、全国でも珍しいのでは」と話す。 (中沢佳子)
市によると、市内の独り暮らしのお年寄りは、およそ一万人。身元がはっきりしていながら引き取り手のない遺体は、年間五十体に上るという。市の担当者は「民生委員などから、独り暮らしの高齢者の終活について相談が増えている」としている。
事業の対象は、資産がおおむね百万円以下で、生活保護受給額を基に算出した収入が16万~18万円以下の身寄りのないお年寄り。市内では千人以上が対象になると見込んでいる。
市の窓口に相談すると、市が紹介する協力葬儀社(現在七社)から希望する社を選択。生前契約を交わしてあらかじめ葬儀代を支払った後、市が終活の支援プランを立てる。その際、緩和ケアや延命治療の希望の有無、葬儀社名、緊急連絡先を記した登録カードを発行。携帯してもらい、いざという時に医療機関や救急隊などがカードを確認して、葬儀社や市に連絡できるようにする。
本人の希望があれば、定期的に訪問して安否確認もする。死亡した場合は、市の担当者が葬儀や納骨を見届け、納骨先情報を保管する。
相談の受け付けは、平日午前9~11時と午後1~4時。問い合わせは、市生活福祉課自立支援担当=電046(822)8070=へ。