「孤独死が身近に」単身高齢者の4割以上 高齢社会白書

2015年6月12日日経新聞

 政府は12日、2015年版「高齢社会白書」を閣議決定した。65歳以上の高齢者は14年10月1日現在で3300万人(前年比110万人増)で、総人口に占める割合は26.0%(同0.9ポイント増)となり、過去最高を更新した。65歳以上の一人暮らしの男女を対象に実施した意識調査では、孤独死を身近に感じる人が4割以上にのぼったことなどを盛り込んだ。

 白書は「団塊の世代」(1947~49年生まれ)が全員65歳以上となる今年、高齢者人口は3395万人になると推計した。2060年には65歳以上が総人口に占める割合は39.9%に達し、4人に1人が75歳以上になるとしている。

 一人暮らしの高齢者は13年時点で17.7%と、10年間で約4ポイント上昇した。孤独死を身近に感じるかについては「とても感じる」が14.5%、「まあ感じる」が30.1%だった。

 介護が必要になった際にどこで介護をしてほしいかについては、日常生活を行う能力がわずかに低下した程度なら66.6%が「現在の自宅」を希望した。一方、一人で立ち上がったり歩いたりできない状態だと「特別養護老人ホームなどの介護施設」が42.6%で最多となった。

 現在の楽しみを複数回答で尋ねると「テレビ・ラジオ」が78.8%と最も多かった。「親しい友人や同じ趣味の人との交際」が53.1%、「新聞・雑誌」が44.0%、「食事・飲食」が42.2%で続いた。