関西の高齢者見守りサービス、利用者数が1年で15倍に

2015年5月29日日経トレンディ

 高齢者見守りサービスを行うNPO、いきいきつながる会(大阪府大阪市)の会員数が、この1年で20名から300名以上に急増。2015年度中には1000人に達する見込みだという。

 いきいきつながる会は関西で数少ない、介護保険では対応できない生活支援サービスをカバーするNPO団体で、2009年に設立。当初は、孤独と不安に苦しむ人への電話相談を行っていたが、相談者の多くが高齢者だったことから、2012年からサービスを高齢者向けにシフトした。

 高齢者向けの見守りサービスでは大手警備会社が提供するものが広く知られるが、同会は“家族"の立場でサービスを行うのが特徴で、週に2、3回の見守り電話、月に1回の訪問をはじめ、買い物や通院、施設見学などの付き添いも行う。また、身元保証サービスも提供しており、頼る人がいない高齢者が入院や施設入居する際の手続きもサポートする。

 見守り電話と訪問、24時間対応の電話相談などが付いて、月会費は2000円。行政機関や地域包括支援センターからの紹介で入会する人が多く、利用者は大阪、京都をはじめ関西全域に広がっている。

 利用者からは「気にかけてくれる家族ができたようでうれしい」「身寄りがないため、保証人をお願いできて安心した」などの声が寄せられている。

 2010年時点の65歳以上の一人暮らしの高齢者は、約500万人(出展:2013年発表の厚生労働省老健局「都市部の高齢化対策の現状」)で、その数は増え続けているという。孤独死や認知症など、超高齢化社会を背景に、同会の石川知巳理事長は「今後は医療機関とも連携し、会員のかかりつけ医の役割も担えるようサービスを充実させていきたい。高齢者の不安に寄り添い、よりトータルでサポートできれば」という。

 一人暮らしの高齢者が増加する中、注目が高まりそうだ。