バタン・ハァハァ…生活音分析、高齢者見守る 富士通
2015年5月12日朝日新聞
富士通は11日、生活音を聞き取ってお年寄りらの安否を見守るシステムを開発したと発表した。室内の音をデータセンターで自動的に分析し、異常を察知すると、あらかじめ登録した家族や警備会社といった連絡先に通報してくれる。病院や自治体、警備会社向けに12月に売り出す。
音声データは、マイクを内蔵した専用端末からネット経由で送られる。朝になっても生活音がしなければ「起きていないかも」と判断。転倒音の「バタン」は人かモノかを聞き分け、起き上がった様子がないと異常だと認識する。荒い息づかいや激しくせき込む音も検知できる。
遠隔地からの見守りシステムは、お年寄りらが自ら危険な状況を知らせなくても異常を検知できるため、別居する家族らのニーズはある。すでにカメラで室内を監視するタイプは実用化されているが、プライバシーの問題で抵抗を感じる人も多かった。
新システムでは、端末が音声そのものではなく、音の波長だけをデータセンターに送る。このため、会話などの内容は知られずに済むという。腕時計型端末と組み合わせ、異常の際に室内のどこにいるかや脈拍の状態などを調べるサービスも検討しているという。