道が経済対策500億円 補正予算案など

2015年2月14日日経新聞

 高橋はるみ知事は13日、人口減少対策と消費の刺激などを柱とした総額500億円規模の経済対策を発表した。国の地方創生関連交付金などを活用し、子育て世代や高齢者の生活支援、外国人客の増加を踏まえた観光振興策などを盛り込んだ。国が促すプレミアム商品券の発行支援など消費対策には85億円を計上。来年度に向け道内経済を下支えする狙いだ。

 道庁は経済対策費を盛った総額386億円の2014年度補正予算案を20日開会の第1回定例道議会に提出する。残る110億円は公共事業などを前倒しする債務負担行為として設定。記者会見した高橋知事は「道民や企業が前向きに取り組める経済環境を整備したいとの思いで予算を措置した」と狙いを強調した。

 第一の柱となる人口減少対策は結婚から出産、子育てまで一貫した支援メニューを用意した。道内14の振興局に結婚支援協議会を設け、市町村や企業、商工農業団体と連携しながら出会いの場などを提供。不妊治療の相談会を開いたり父親の育児参加を促したりする。

 高齢者支援では買い物や安否確認に役立つサービスモデルの確立に向け実証試験をする。教育分野では小中高校の指定校でインターネットを介した遠隔授業に取り組む。短期間の田舎暮らしと就業体験を組み合わせた移住促進策も掲げた。

 消費刺激策はプレミアム商品券や旅行券の配布を目玉とし、発行する商工会や市町村などに助成する。例えば1万2千円の買い物ができる商品券を1万円で販売するようなケースが想定される。

 道外需要も取り込むため、道産品を扱うアンテナショップで使える商品券や電子商取引(EC)サイトでの割引費用にも助成。妊産婦と要介護者らには1人5千円程度の商品券を配る。ただ、一時的な需要喚起が継続的な消費拡大につながるかは見通せない。

 観光振興では外国人観光客の受け入れ環境を整えるため、通訳や観光ガイドの育成を強化する。道内各地で語学や海外文化をテーマにした研修を開く。道内観光地の情報を海外メディアを通じて積極的に発信するなど、宣伝チャンネルを増やす。

 高橋知事は地方創生の総合戦略策定を求められている市町村を支援するため、4月から各振興局に専任の道幹部職員を派遣する考えを示した。