ふくおかIST、産学官・市民参加でICカード見守り技術を実証-上海交通大も連携
2015年2月06日朝日新聞
【福岡】福岡県産業・科学技術振興財団(ふくおかIST、福岡市早良区、梶山千里理事長、092・832・1301)は、ICカードを使って子どもや高齢者を見守る技術の開発に産学官で乗り出す。地場企業の関連事業参入や創業につなげる。実証に福岡県糸島市と福岡市の市民が協力。上海交通大学など海外とも連携する。見守り技術の輸出も目指す。
具体的にはICカード読み取り装置を学校などに設置。通った時間の把握を基本に、企業がそれぞれのテーマで開発や実証を行う。例えば急病や事故での本人確認、持病、飲んでいる薬の照会、家族に連絡するシステムの開発を見込む。災害時における避難施設での本人確認、居場所の把握についても開発を想定する。
基盤のICカード技術は九州大学が10年以上研究を続けているもの。教室や研究室の入退室管理や電子マネー、図書館のカードとして利用。2013年度には総務省の事業で糸島市と実証を行って市民の協力を得た。
5日、開発の母体となる「見守り技術普及促進協議会」が九州大学や通信会社など22社・団体で発足した。事務局は、ふくおかIST社会システム実証センター(福岡県糸島市)に設置。同センターの安浦寛人センター長が会長に就任した。実証には糸島市の2万5000人、福岡市の2000人が参加する。同センターの石田浩二副センター長は「利用者のニーズをくみ取ることで完成度を上げる。福岡から見守り産業を世界に発信したい」と、市民参加型の開発で海外市場を目指す。