孤立死、5割が「不安」 防止運動は浸透進まず/千葉

2015年2月01日東京新聞

 県がインターネットで実施したアンケートで、いわゆる孤立死(孤独死)に不安を持つ回答者が5割を超えたことが明らかになった。

 アンケートは、「県民参加メールマガジン」の読者を対象に昨年11~12月に実施。184人が回答した。孤立死(孤独死)への不安は「大変不安がある」が43.6%、「不安がある」が11.6%で、合わせて55.2%に上った。「あまり不安がない」は10.0%、「全く不安がない」は34・8%だった。

 高齢者を孤立させないため行政が取り組むべきこととして、「地域住民、事業者などとの連携による見守りネットワーク構築」が71・2%と最も多く、「配食サービスや緊急通報装置などによる安否確認の実施」が56・5%、「地域活動や趣味活動への支援を通じた高齢者の社会参加促進」が51・6%と続いた。

 県が「しない、させない、孤立化!」を合言葉に実施している高齢者孤立化防止運動「ちばSSKプロジェクト」については、「名称も内容も知っている」と答えた人は6.5%にとどまった。

 千葉県は急速に高齢化が進み、高齢者の増加率は全国2番目。今後、独り暮らしの高齢者や夫婦だけの世帯が大幅に増加することが予想されることから、県は昨年来、高齢者の見守り活動に取り組んでもらう商業者と、高齢者孤立化防止の協定を相次ぎ締結している。

 ただ、アンケートの意見や要望には「地域の人の見守りも必要だが、介護の専門職を増やすべきだ。素人では判断できないことも多い」「基本的には地域で対応することだが、行きすぎた個人情報管理の問題が、地域の活動を阻害している面がある」などの声も上がった。県は、アンケートの意見を今後の対策に役立てる。 (村上一樹)