TV電話で高齢者見守り NTT西など、奈良のUR富雄団地で試験導入

2015年1月31日産経新聞

 NTT西日本などが今年2月からUR富雄団地(奈良市)で、テレビ電話を活用した高齢者の見守りサービスを試験的に始める。検証結果を踏まえ、10月をめどに本格稼働させるという。

 試験は、富雄団地と周辺の高齢者が住む20世帯で約2カ月間実施。NTT西のテレビ電話を各戸に設置し、利用者は電話を通じて団地内の在宅介護サービス事業所「あすならホーム富雄」の職員に健康相談などができ、ホーム側も定期連絡を行うなどして見守り活動に役立てる。

 担当者は「テレビ電話は相手の顔色や表情など、より詳しい状態を把握できる」とする。

 サービスは、NTT西とUR都市機構西日本支社、社会福祉法人「協同福祉会」の3者が連携して実施。9月ごろまで利用者にアンケートやヒアリング調査を行った上で、システムを改良し、10月から同エリアで本格稼働させる予定だ。

 UR都市機構は地域の事業所などと連携し、平成30年までに全国で100団地程度を地域医療福祉の拠点となる「モデル団地」にすることを目指しており、昨秋に富雄団地を含む23団地を第1弾に選定。担当者は「古い団地ほど高齢化率も高い。住み慣れた地域でいつまでも安心して暮らせる環境づくりを目指したい」としている。


 医療コンサルティング会社「メディヴァ」の推計では、全国の病院の稼働率が24年と同じ場合、52年には24年比約2・8倍に相当する約67万人が、自宅や介護施設などでの看取りが必要。同社の担当者は、「今後はいかに在宅の看取りを増やすかが課題になる。遠隔医療や見守りのニーズがさらに高まるだろう」としている。

 サービスに関する問い合わせは、UR都市機構西日本支社ウェルフェア推進チーム(電)06・6969・9500。