大分)高齢者見守り野菜買い取り 日田にレストラン開店

2014年12月11日朝日新聞

 日田市の山間地に10日、「おすそわけレストラン」と名付けた食堂が開店した。提供する野菜は、見守りのため高齢者宅を訪問する際に買い取る高齢者らの自家栽培。市内で活動する地域おこし団体が始めた。

 「おすそわけ野菜のレストラン松原」は、「日田ソーシャルビジネス研究会」(高倉和一郎代表ら25人)が、過疎化の進む上津江・中津江地域で活動する共助組織「NPOつえ絆くらぶ」と連携して運営する。

 メニューは、「おすそわけ野菜定食」(700円)を始め、手打ちうどんや野菜の総菜、だんご汁、イノシシ肉の生姜(しょうが)焼きなど。

 店で使う野菜は、絆くらぶが安否確認で毎週訪問する高齢者たちが自家栽培した四季の野菜や山菜など。食べきれないのを腐らせてはもったいないと、絆くらぶが昨年から「おすそわけ野菜」として集荷。ビジネス研究会の協力で店や一般家庭などに販売してきた。今回、「おすそわけ」をレストランの名前に冠した。

 同くらぶの相垣幸博さん(49)は「お年寄りは、野菜がお金にかわると喜んでくれ、孫へのお年玉や婦人会の積み立てなどにすると言っています」と話す。

 店は松原ダム管理支所のそば。熊本県小国町に向かう国道と上津江・中津江に向かう県道の分岐点にある。ソーシャルビジネス研究会副代表の河津勇成さん(42)は「日田の南の玄関口。山中ににぎわいを作り出していきたい」。