日本総研、衰え始めた高齢者へのサービス創出で官民協働組織

2014年10月01日Joint

 日本総研は今月から、元気な状態と介護が必要な状態の狭間にある高齢者へのサービスの創出に向けて、民間企業や自治体などの参画を得て協働組織を立ち上げる。ターゲットの高齢者を「ギャップシニア」と名付け、「ギャップシニア・コンソーシアム」として旗揚げするという。

 高齢者は一般的に、病気や体力の低下によって自分でできることが減ってしまうと、本当はやりたいことでも諦めるようになってしまう。そうしてできることがさらに減っていき、最終的に要介護になってしまうケースが少なくないことは、地域包括ケアに関わる人なら経験からわかるはずだ。

日本総研では、こうした「負のスパイラル」に陥るリスクの高い高齢者を、「ギャップシニア」と呼んでいくという。有意義なサービスが入れば効果を見込めるが、介護保険の枠組みでは十分にカバーしきれておらず、民間企業もうまく手を広げきれていない層だ。

 「ギャップシニア・コンソーシアム」では、この層にサービスを行き届かせる仕組みの構築を目指す。高齢化でさらにニーズが増えていく将来を見据え、民間企業のビジネスの機会を大きく拡げるとともに、高齢者のQOLの向上にもつなげていくのが狙いだ。

 今後は、地域ごとにニーズを把握するための詳しい調査を行い、サービスの開発や事業スキームの構築につなげていく。民間企業からの参加は、京浜急行電鉄(株)や(株)ダスキン、ハウス食品グループ本社(株)などが発表された。このほか、複数の自治体や介護事業者、地域包括支援センターも取り組みに加わる。

 当面は、関東、関西、東海の3地域で活動を展開していく。参加する企業や自治体を増やしていきながら、2015年度にも本格的にサービスを提供できるようにしたいという。