一人暮らしの高齢者、介護「準備なし」半数 民間意識調査
2014年09月03日日経新聞
要介護認定を受けていない一人暮らしの高齢者の約半数が、自分に介護が必要になったときの特別な準備をしていないことが、第一生命経済研究所の意識調査で分かった。4人に1人は将来的に介護を受けたい場所を自宅か施設か決めていなかった。
単身高齢者の多くに介護への備えが不足している実態が浮かび上がるが、介護を頼むつもりだった夫や妻に先立たれ、将来を決めかねている人も少なくないとみられる。同研究所の北村安樹子研究員は「いきなり単身になって慌てないよう、介護に必要なお金を計算したり、親族に希望を伝えたりする備えが大事だ」と話している。
調査は昨年12月、要介護認定を受けていない単身の65~79歳の男女527人を対象に実施。自分の介護を見越した準備状況を複数回答で聞いたところ「特にしていない」が48%で最も多かった。
準備している人では、預貯金(31%)、介護保険制度の情報収集(22%)、介護施設の見学(17%)――などが多かった。ペットを飼っている人のうち18%が「ペットの引き取り先の検討」を挙げた。
記憶力や判断力が低下した時に介護を受けたい場所を聞くと「分からない」とした人が28%に上った。男女別では、男性が33%と女性の23%より多く、男女にかかわらず独身で一人暮らしを続けた人が37%と高い割合を占めた。〔共同〕