高齢者の「孤食」「欠食」防止 小松市など 食生活指導や調理法紹介 /石川

2014年08月15日北國新聞

 小松市は、高齢者が一人で食事をする「孤食」や、食事を抜く「欠食」を防ぐ取り組み を始めた。食生活改善推進員が市内のいきいきサロンに出向き、食事をともにしながら、 正しい食生活の指導や簡単な調理方法の紹介を行う。一人暮らし高齢者が増える中、食事 を楽しむ機会をつくり、心身の健康維持につなげる。

 市によると、市内の65歳以上の一人暮らし世帯は4月1日現在、5290世帯で、全 世帯の12.9%を占める。人口が減少する中、一人暮らし高齢者の割合は年々上昇して いる。

 一度に大量に調理して同じ食事を何日も取り続け、十分な栄養を摂取することができて いない人がいるという。会話の楽しみを失い、食欲が減退するケースもある。

 こうした状況を受け、市は6日に荒木田町のサロンで初めて食生活改善推進員による指 導を実施した。推進員4人が高齢者8人に、規則正しい食生活やカルシウムの重要性など を呼び掛ける○×クイズを出題。簡単にタンパク質を摂取できる料理を紹介した。混ぜご 飯や季節の野菜を使った汁物など栄養バランスを考慮した3品を調理し、参加者と味わっ た。

 市は市内のサロン177カ所のうち、今年度は15カ所をモデルに対策を実施する。市 は来年度以降、取り組みを拡大させていく方針で、市いきいき健康課の担当者は「お年寄 りには楽しく食事をしてもらい、正しい食生活の大切さを知ってほしい」と話した。