神奈川県の「高齢者見守りなどを兼ねたEMSサービス」実証、シャープに決定
2014年08月01日環境ビジネスオンライン
神奈川県は、足柄上郡大井町金子地区において「地域課題対応型EMSサービス実証事業」のビジネスモデルを実施する事業者を公募していたが、この度シャープ(大阪府)に決定したと発表した。
この事業は、エネルギー・マネジメント・システム(EMS)の導入を促進するため、EMSを活用して地域の住民のニーズに即したサービスを提供するもの。シャープは、「エネルギー管理サービス」に加えて、地域課題に即した生活支援サービスとして「生活支援サービス(高齢者の見守り等)」「健康管理サービス」を提供する。参加者数は10人程度。
9月6日に県とシャープがビジネスモデルの住民説明会を開催。その後、大井町が住民を対象に実証事業参加意向調査を実施。また、シャープと大井町が実証事業参加希望者対象の説明会を開催する。
11月からシャープが実証事業に使用する機器を設置、参加者に使用方法等を説明し、来年1月から3月にEMSサービスの実証を実施する。シャープに対しては、補助金としてビジネスモデルの実証に要する費用の1/3(上限800万円)が交付される。
シャープが提供するEMSサービスの内容
エネルギー管理サービス
- シャープは、HEMSとタブレットを実証事業に参加する高齢者(参加者)の住宅に設置する。
- 参加者は、HEMSから得られるエアコンなど様々な電化製品ごとの日々の電力使用割合等をタブレットで確認できる。
- シャープは、クラウドに集められた電力の使用状況の情報をもとに、節電のアドバイスをタブレットにメッセージで表示し、節電行動を促す。
地域課題に即した生活支援サービス等
■生活支援サービス(高齢者の見守り等)
- シャープは、参加者のテレビに見守りサービスのシステムを設置する。
- 参加者は、テレビを使用して毎日行う健康状態に関するアンケートの回答に協力する。
- シャープは、HEMSにより把握される住宅内の電力使用状況とテレビによる健康状態に関するアンケートの回答結果をとりまとめる。
- 参加者の家族がシャープのとりまとめた情報を定期的にモニターすることにより、緩やかな見守りを行う。
■健康管理サービス
- シャープは、参加者の住宅に設置したタブレットで健康管理のためのアプリケーションソフト(名称「未病倶楽部」)を提供する。
- 参加者は、そのアプリケーションソフトのメニューを選んで体温や血圧、服薬履歴等の情報を入力する。また、認知機能の向上に役立つことが期待されるゲームや体操のメニューを利用することで、楽しみながら健康維持に取り組むことができる。
- シャープは、参加者の体温や血圧の情報、ゲームの利用情報等をとりまとめる。
- 参加者の家族がシャープのとりまとめた情報を定期的にモニターすることにより、日々の健康管理に役立てる。