松野不動産、独居高齢者サービス拡充 /高松

2014年07月23日日経新聞

 賃貸住宅の仲介・管理を手掛ける松野不動産(高松市)は、高齢者向けのサービスを拡充する。地元企業やNPO法人と連携し、自社の管理物件に入居する独り暮らしの高齢者に対し、安否確認のためのIT(情報技術)機器を貸し出したり、食事を宅配したりする。少子高齢化を背景に、主要顧客の若年人口が減少傾向にあるなか、高齢者が安心して暮らせるサービスを整え収益拡大につなげる。

 今月初旬、地元のIT関連企業やNPO法人と組み、高齢者の暮らしを支援するプロジェクトチーム「くらサポ」を立ち上げた。第1弾として、居室内に設置するIT機器の貸し出しを始めた。

 機器は室内に設置し、人が機器の前を通るとセンサーが感知する。情報は提携するNPO法人「在宅医療サポート協会 あんしんセンター高松」(高松市)に送られる。1日に最低でも2回以上、センサーが感知しない場合は同NPOが機器を通じて電話をし、安否確認を実施する。

 電話に応答しなかったり、病気やケガなどの緊急事態が発生していることが分かったりした場合には、提携する警備会社が居室に駆けつける。利用料金は月額2000~3000円程度で、初期費用はかからない。初年度に30件程度の契約を見込んでいる。

 今後は地元の弁当業者なども「くらサポ」に入ってもらい、部屋にできたての弁当や生鮮食品や日用雑貨を宅配するサービスも実施する。弁当では、循環器系の病気を抱えていたり、食べ物をかみ砕く力が弱かったりする高齢者に向け、塩分使用量を抑えたりやわらかく加工したりした食事を提供する計画だ。

 国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、賃貸住宅に住む割合が高い20~39歳の人口(四国4県)は2040年には約53万人と、10年に比べ39%減少。一方、65歳以上の高齢者は約115万人と8%増え、全人口に占める割合も27%から39%に拡大する。

 独り暮らしの高齢者も増えると見込まれるなか、松野不動産は高齢者も安心して暮らせる環境を整える。サービス付き高齢者向け住宅などの新設ではなく、既存の賃貸住宅を活用することで、設備コストを抑えながら収益確保を目指す。

 同社は1983年設立で従業員数は約20人。高松市内などで約1500戸の物件を管理しており、2013年6月の売上高は約3億円だった。