高齢者見守り、簡易に 札幌ネクシスが自治体向け

2014年07月07日日経新聞

 システム開発の札幌ネクシス(札幌市)は自治体向けに独居高齢者の見守りシステムを開発した。タブレット端末を家庭に置き、起床や就寝などのボタンを高齢者が押すことで生活状況を収集。データを分析して自治体に異常を知らせる。3年で1万戸ほどの利用をめざす。

 「コミュニティナビゲーター縁(えにし)」と名付けたシステムは、独居高齢者の安否確認や孤独死の予防に取り組む自治体を対象とする。介護の程度が軽い高齢者がタブレット端末に情報を入力。札幌ネクシスのデータセンターに情報を集めて分析し、自治体に異変を知らせる。自治体の協力員らが様子を見にいく。

 タブレット端末のため設置工事が不要で、電話回線がない家にも導入できる。費用は導入時に1台あたり5万円、維持費が月に2千円ほど。緊急時に画面上のボタンを押せば、IP電話を使って自治体や警備会社に電話も掛けられる。

 6月に倶知安町で60人弱に導入したところ、データをきちんと送る高齢者が多いという。センサーやカメラで生活状況を把握する仕組みは見張られていると感じる高齢者がいるため、自ら入力する仕組みとした。