高齢者を外出時も見守り 所沢市、携帯型緊急通報システムを運用へ

2014年07月01日埼玉新聞

 所沢市は1日、高齢者が外出中に急病で倒れたりするなど緊急時に簡単な操作でオペレーションセンターに通報できる「携帯型高齢者緊急通報システム」を導入、携帯用端末の貸し出しを始める。

 1人暮らしのお年寄りを見守るため屋内に設置する固定型の緊急通報システムは各地で運用しているが、携帯型は県内でも先駆的な取り組みという。

 同市高齢者支援課によると、携帯端末の貸し出し対象になるのは65歳以上のお年寄りで、(1)1人暮らし(2)日中、家族が近くにいない単身者(3)どちらかが要介護状態の夫婦。

 携帯端末は手のひらに収まる大きさで、衛星利用測位システム(GPS)機能を搭載。お年寄りの外出時に持参してもらうことで、親族らが本人の所在を確認できる。急病など緊急時は、本人が端末のひもを引っ張るとオペレーションセンター(東京・池袋)につながり、通話も可能。必要に応じてオペレーターが救急車の出動を要請できる。

 また端末には見守り機能(見守りセンサー)が付いており、一定時間、持ち主の生活上の動きが感知できないときは自動的にオペレーションセンターに通報。同センターから家族や包括支援センターなどに連絡が行くようになっている。貸出費用は市民税8万5千円以下の人については無料。それ以外は月額950~1900円。

 所沢市は1985年から、屋内に設置する固定型の緊急通報システムを実施しており、5月末現在で1184人が利用。本年度は携帯型、固定型を含め約4360万円の予算を計上し、携帯型で30基の利用を見込んでいる。

 一方、認知症などで徘徊(はいかい)行動が心配される高齢者には、GPS機器を貸し出している。機器を常時携帯してもらい、万が一行方不明になった場合は電話案内やインターネットによる地図表示で現在地を確認できる仕組み。利用料は月額千円。