GPSで認知症見守り、7割超肯定的 実験参加者 秋田

2014年06月15日朝日新聞

 NTTドコモ秋田支店は、GPS端末を利用した認知症高齢者の見守りサービス実証実験の結果をまとめた。靴などに装着した端末の位置情報を専用タブレットで把握する仕組みで、実験に参加した関係者の7割超が「継続して利用したい」と回答した。

 実験は県などと協力、昨年11月から今年2月にかけ、秋田市、潟上市などに住む認知症高齢者9人にGPS端末を持ってもらった。端末は縦横4センチ、厚さ1センチほどで重さ約30グラム。靴やポシェットなど、外出の際に必ず身につけるものに仕込んだ。高齢者自身が外してしまう例はなかった。

 受け手の介護家族やグループホームは、専用タブレットからドコモのサーバーにアクセス、操作から数十秒で高齢者の現在位置が地図上に表示される仕組みだ。実験の後半は1日60回自動的に位置を送信する設定にして、高齢者の行動パターンを把握した。

 実験後のアンケートでは、今後も「積極的に利用したい」が15%、「機会があれば利用したい」が57%と肯定的な評価が多かった。一方で、「施設と家族が密に連絡を取らないとうまく運用できない」「実験は積雪が多く、外出が少ない時期。春から秋にかけて使用できれば」という声もあった。希望する利用料金は月額2千円と3千円が43%ずつだった。

 同支店は「行方不明の早期発見につながるツールになり得る。実験参加企業が事業化に動いており、協力したい」と話している。