ひかりTV、テレビ電話で対面サポートを行なう「シニア向けスマートTV」実証実験

2014年05月7日AVwatch

 NTTぷららは、映像配信サービス「ひかりTV」のプラットフォームを通じ、オペレーターが対面形式で生活情報のサポートを行なう「シニア向けスマートTV」実証実験を29日より開始する。

 「シニア向けスマートTV」では、「ひかりTV」用に提供しているAndroidベースのSTBをカスタマイズし、多チャンネル放送や映像配信といった通常のサービスに加え、ショッピングや健康相談、行政相談といったシニア向けサービスを提供。ショッピングや旅行相談のサービスは、イオンダイレクトやJTBなどの企業と連携する。

 試験の実施期間は5月29日~6月25日の約1カ月間で、対象は青森県七戸町の居住者や、NTT都市開発が運営するサービス付き高齢者向け住宅の居住者、全国の一般モニターの計31世帯。実際にサービスを利用してもらいながら、技術や操作性、各種サービスのニーズなどを検証するという。

 各サービスは、テレビ電話を通じ、オペレーターとの対面形式で提供されることが特徴。総合窓口では、専門のオペレーターが、ひかりTVで放送される多チャンネル・VOD番組の利用サポートを行なう。例えば、オペレーターに「韓流ドラマが見たい」と話すと、オペレーターが、放送される韓流ドラマの番組内容や放送時刻を案内してくれる。このほか、ショッピングや健康相談などの各種サービスへの誘導も行なう。

 ショッピングサービスでは、欲しい物をオペレーターに話すと、オペレーターが画面にチラシを表示し、商品を確認しながら買い物を行なえる。チラシの細かい文字が読めなかったり、自分で商品を探し出せない高齢者でも、気軽にネットショッピングが利用できるという。また、オペレーターからコールを行なう「御用聞きコール」により、何か必要なサービスがないか積極的に確認するとともに、ユーザーの安否確認も行なえる。

 このほか、連携する血圧計の測定結果をグラフにして表示するといった健康管理サービスや、全国から投稿された花の写真を観賞できる花図鑑サービスなどが用意される。この花図鑑サービスには、自分で撮った花の写真を投稿することもできるという。

 また、離れて暮らす家族向けに、リモコン操作履歴をネットやメールで確認できる「見守り通知サービス」や、テレビ画面での家族の写真共有、テレビ電話サービスなどを提供。自治体と連携し、地域情報の配信や、年金・福祉などテレビ電話で相談できる行政窓口サービスなども利用できる。

 NTTぷらら技術本部サービス開発部の添田卓弘担当部長は、「内閣府の調査によれば、高齢者の普段の楽しみは、圧倒的にテレビ・ラジオとなっている。高齢化社会の新たな課題に対し、スマートテレビサービスで解決できる可能性があると考えたことから、今回の実証実験に至った」と実証実験の経緯を説明。また、「NTTドコモの加入者約6千万人の内、らくらくホンユーザーが1千万人となっていることから、高齢者向けサービスの開発の必要を感じた」という。

 事業展開のスケジュールや料金体系、個人や自治体、企業など、どういったユーザーを対象にサービスを提供していくかなどの具体的な事は決まっておらず、今回の実証実験の内容を受けて検討を進めるとしている。