高齢者の見守りを阻む「個人情報」の取扱事例を消費者庁が公表

2014年05月20日けあNews

高齢者の「孤立死」撲滅を目指して
高齢者の「孤立死」が社会問題となっており、地域による見守りの重要性が高まってきた。

一人暮らしの高齢者が死亡しても、近隣の人たちが気づかず、何日もたってから発見されるといった悲しい事件を防ぐために、地域による日常的な安否確認が求められている。

地域による見守りで重用なのは、介護事業者や自治体などが必要な情報を共有することだ。

しかし個人情報保護法が、有益な情報の共有を拒む壁となって立ちはだかるケースが生じている。これは、個人情報の保護意識が強くなりすぎて、情報の有益な活用に理解を示さない「過剰反応」現象が原因と指摘されている。

政府も問題視しており、平成20年に「個人情報の保護に関する基本方針」の一部を変更し、「過剰反応」対策に取り組んできた。

9自治体の見守り事業の具体例を紹介

「過剰反応」対策の一つとして消費者庁は5月14日、「「孤立死」対策としての見守り活動に係る個人情報の取扱事例集(平成26年度)」を公表した。

この事例集は、「孤立死」対策として取り組んでいる見守り事業の実例をまとめたもので、埼玉県越谷市、神奈川県川崎市など9つの自治体の取り組みをくわしく報告している。

消費者庁ではこの事例集を、情報の共有を図りながら高齢者の安否確認などを日常的に行うための、参考資料として役立ててほしいと述べている。

▼外部リンク
「孤立死」対策としての見守り活動に係る個人情報の取扱事例集(平成26年度)
http://www.caa.go.jp/planning/kojin/mimamorijirei.pdf