離れた親にシニア派遣、見守り兼ね話し相手 北九州・シルバー人材センター

2014年05月08日西日本新聞

 全国の20政令市で最も高齢化率が高い北九州市の公益社団法人・シルバー人材センター(櫛井(くしい)正喜理事長)は、市内の高齢者宅に、遠方で暮らす息子や娘の依頼を受けて会員を派遣し、話し相手になったりする「親孝行支援サービス事業」を10月にも始める。

 高齢者の様子をタブレット端末で撮影し、写真や動画を送ることで安否確認するサービスも提供する。センターは「遠方の老親を心配する働き盛りの人は多い。親子の橋渡しをお手伝いしたい」としている。

 全国シルバー人材センター事業協会(東京)によると、全国的にも珍しい取り組みという。「親孝行」事業は、依頼を受けたセンターが、高齢者宅に会員を派遣し、将棋や囲碁の相手になったり、菜園や花壇作りの手伝いをしたりもする。料金は1回(3時間)2500円程度。掃除や洗濯、食事の準備などのサービスも提供するが、介護保険は適用されない。

 また、講習を受けた会員がタブレット端末を使い、訪問先で高齢者の様子を撮影。依頼主との間で写真を送信し合うことで「見守り」も兼ねる。動画で親子がリアルタイムで会話ができるサービスも検討中だ。

 シルバー人材センターは、働くことを通じた60歳以上の会員の生きがいづくりを目的に市町村単位で設立され、全国に約1300ある。除草や駐車場管理などの軽作業を任せ、報酬を支払っている。

 高齢者問題に詳しい北九州市立大の楢原真二教授(公共政策論)は「遠方の都会で暮らす40代、50代の人は、親を心配しながらも、仕事や家庭に追われ、なかなか帰省さえできない現状がある。それを多少なりとも補う試みとして期待したい」と話している。