公営住宅、増える独居高齢者 道営、札幌市営20%超
2014年05月05日北海道新聞
道営住宅や札幌市営住宅で独り暮らしの高齢者が増えている。道営では60歳以上の単身世帯が全体の22%。道営より入居世帯が多い札幌市営住宅でも65歳以上の独居者は全体の26%に上り、いずれも毎年ほぼ1ポイントのペースで増加している。周囲に気付かれずに室内で死亡する孤独死も毎年発生しており、見守りなどの対策が急務となっている。
道によると、2013年度末時点での道営住宅の入居世帯は計2万1229世帯で、うち60歳以上の独居者は4644世帯。集計を取り始めた05年度末は全体の14%で、8年間で8ポイント増加した。
要因として道の担当者は、年金暮らしで低収入の高齢者には低家賃の道営住宅のニーズが高いことなどを挙げ、「今後も右肩上がりは続く」とみる。
札幌市営住宅ではその傾向はさらに進んでおり、13年度末で全2万5453世帯のうち65歳以上の独居者は6565世帯に上る。同市の集計は65歳以上だけだが、担当者は「60歳以上なら30%を超える」としている。
孤独死も徐々に増えており、道営住宅では60歳以上の独居者が死亡し発見されたケースが、集計を始めた07年度は3件だったが13年度は8件。市営住宅では高齢者や独り暮らしに限らず室内で孤独死した事例を集計したところ、13年度は23件に上った。
対策として道では入居者に普段からの見守りをお願いしたり、異変があれば連絡するよう周知。札幌市でも、応答が無い入居者の安否確認がすぐにできるよう親族らの連絡先を把握するなどの取り組みを行っている。だが道、札幌市とも「それでも完全には防げず、難しい問題」との認識だ。