情報端末で代行者が売り場中継 美波のNPOなど、高齢者の買い物支援

2014年03月18日徳島新聞

 美波町のNPO法人と地域再生支援会社が17日、同町でタブレット端末を活用した高齢者への買い物支援の実証実験を始めた。頼まれた商品を購入して届けるだけでなく、テレビ電話機能を使って商品を映像で確認するなど、買い物気分を味わってもらう。
 
 NPO法人日和佐まちおこし隊が、地域再生支援に取り組む会社「あわえ」と「たからのやま」の協力で実現させた。両社によると、タブレット端末で選んだ商品を届けてもらう買い物支援はあるが、テレビ電話機能を活用して商品を見たり、会話を楽しんだりできるサービスは珍しい。

 町内の高齢者3人にタブレット端末を配布。NPOの職員らが買い物代行者となり、毎朝、端末のテレビ電話アプリを使って高齢者から商品の注文を受ける。代行者はスーパーや商店に出向き、商品の映像を映し出して高齢者に商品や値段を確認しながら買い物をし、自宅まで商品を届ける。

 連絡は安否確認を兼ねていて、朝夕2回行う。利用した80代の女性は「商品も見えて安心できる」と喜んだ。

 高齢化率が40%を超える町では、買い物弱者がさらに増える可能性があり、まちおこし隊が1年ほど前から買い物支援の取り組みを模索していた。

 町にサテライトオフィス(SO)を設けたIT企業に、先端技術を生かせないか相談。同企業が設立した地域再生支援会社が端末を提供するなど、実験全体の企画を行うことになった。

 実験は21日までの予定。その後、課題を洗い出し、町全体への本格的な展開ができないか検討していく。