<高齢者見守り>水道メーター情報を活用し見守りの実証実験開始

2014年03月07日ケアマネージメントオンライン

 ITホールディングスグループのクオリカ株式会社は、岐阜県郡上市のNPO法人「つくしん棒」と共同で、M2Mのデータ連携をサポートする「CareQube(ケアキューブ)」を応用した高齢者見守りシステムを開発し、郡上市の高齢者世帯において実証実験を開始した。

 高齢化が進む日本では、特に一人暮らしの高齢者の孤独死が社会問題となっており、全国各地でさまざまな取り組みが行われている。例えば、電気やガスを利用したモニタリングや扉の開閉をセンサーで感知するものなど、多種多様な見守りサービスが提供されている。

 今回、同社がNPO法人つくしん棒と共同で開始した見守りシステムは、ライフラインである水道の利用量をモニタリングすることで高齢者世帯の安否を含めた生活リズムを把握し、高齢者の生活支援を行うというもの。

 ポットのお湯は夏場など使わないこともあろうし、ガスも調理しないで済ませることもあろう。しかし、水道の水は、風呂、洗面所、そして台所と、1日の中でまったく使わずに済むことはないのではないか。同社はそこに目を付け、昨年6月より、郡上市の一人暮らしの高齢者世帯に設置し、半年間の実証実験の結果、一定の成果を得られたことから、今後、正式なサービス提供に向けて、さらに仕組みの拡充を図り、メニュー化を進めていく。


CareQubeを活用した見守りの仕組みのイメージ

<CareQubeの仕組み>
 今回、実証実験を行っている仕組みは、クオリカが主に産業機械の予防保全向けにクラウドサービスとして提供しているM2Mサービス「CareQube」を応用して、水道メーターの情報を収集するというもの。水道の利用量のデータは、3G回線を通してリアルタイムでクオリカのデータセンターに収集され、その情報はWebからいつでも確認することができる。また、別世帯で暮らす親族や地域の見守りボランティアなどの関係者に、水道利用情報を定期的にお知らせメールとして配信する機能や、見守り対象世帯の住所を地図に表示したり、水道利用量をグラフで表示したりできる管理機能も備えている。