イデアクエスト、介護者向け通報システム-センサー装着不要、赤外線で患者の異変把握
2014年02月28日日刊工業新聞
慶応義塾大学発ベンチャーのイデアクエスト(東京都大田区、中島真人社長、03・6459・9776)は、認知症患者や高齢者のベッド上での状態を離れた場所にいる介護者が誤判断なく把握できるシステムを開発した。
赤外線ビームの細かい輝点を高齢者らの体に照射、輝点の移動量から姿勢の変化や呼吸状況を把握する。異常があれば介護者の携帯電話などに連絡・通報する仕組みで、常時、見守りを行う負担が軽減できる。
開発した「アウルサイト」は、分岐素子を通じて赤外線ビームを約1500点に分け、ベッド上の高齢者らの身体上に投影する。姿勢変化や呼吸による胸・腹部の変化を、各輝点の動きで把握。呼吸が止まったりもがいたり、立ち上がったりする状況を通報する。
脳神経系をモデルにした情報処理システム「ニューラルネットワーク」を使って総合的に判断するため、寝返りや寝具との接触によってスイッチなどが作動し、誤報が発生するのを避けられる。
今回のシステムはセンサー装着が不要で患者は普段通りの生活ができる。輝点による大まかな姿勢の像を提示するため、カメラ映像と異なりプライバシーを保てるという。そのため病院や高齢者向けの施設だけでなく、在宅介護にも適しており、2014年度中に製品化する計画だ。