宇宙から高齢者見守り 大野町がGPS活用の実証実験

2014年02月27日岐阜新聞

 揖斐郡大野町は26日、岐阜県内初の「携帯型高齢者緊急通報装置」の導入に向けた実証実験を新年度、実施すると発表した。緊急時にひもを引けば警告音が鳴り、管理会社のコールセンターと通話できる見守り装置で、衛星利用測位システム(GPS)による行方不明時の居場所特定にも活用できる。30件をモニタリングし、2015年度からの実施を目指す。

 同町は現在、自宅での卓上型緊急通報装置を導入しているが、ペンダント型の子機は親機から数メートルの範囲でしか使用できないこともあり、利用が伸び悩んでいる。町内には1人暮らしの高齢者が454人、高齢者だけの世帯は1369人いるが、現行装置の利用はわずか75人のため導入を検討する。

 新装置は緊急通報はもちろん、万歩計機能による健康状態や認知症高齢者らの居場所の確認ができ、8件までの着信登録が可能。

 宇佐美晃三町長は「進展する高齢化社会に必要な事業。モニタリングで導入の可否も含めて助成方法などを検討し、安心して暮らせる町づくりを進めたい」と話した。